覚書(小枝の小技終了につき、転載) [旧HP小枝の小技より]

2004年に記す。

仕事のこだわり・・・

①柄を生かす(柄の配置を良く考えます)

②衿を綺麗に付ける(特に後ろ衿が綺麗に反るような工夫をしています。)

③身頃が表も裏もたるまないように納める直前まで確かめる。

④褄やお袖の丸みを綺麗に。

⑤たたんだ時にピタッと、すっきりと仕上げる。

これらは、当たり前の事なのですが、完全に満足する事は中々難しいものです。
まだまだ、色んな事にこだわってこれからも仕事をやっていきたいです。

早縫いコンテスト!と国家試験。

修行中にもよく「早縫いのコンテスト」という大会があり、時々出たときには驚く事ばかりでした。

同じ着物が、出来上がるのに・・・縫っていく肯定がそれぞれの和裁所によって全く違う事です。

糸こきの仕方、コテの当て方、ヘラの仕方・・・しつけの方法・・・縫っていく順番まで・・・。

それぞれの、和裁所の先生の研究と工夫だと思います。

よく「技術を盗む」と言って昔は先生や先輩は中々教えてくれなかったそうですが・・・

今は、勉強会で色んな先生のやり方を教えてもらえる時代になりました。

コンテストや国家試験では決められた時間内に、針目も細かく正確に・・・。

綺麗に仕上げなければなりません。例え一番早く出来ていても仕上がりが悪かったり

針が中に一本でも残っていれば失格です。

私も卒業したての頃に何度かコンテストに出場し、最優秀賞と優秀賞を一度ずついただきました。

その時は正に、「火事場の馬鹿力!」いつもは出ないようなスピードと何かの力が乗り移った

かのように縫えてしまうものなのです。

国家試験は厳しく2回目の挑戦で合格しました。いつもこの時の事を忘れずに仕事をしたいものです


今まで、そしてこれから・・・・

この30年の間には・・・・

修行時代の呉服屋さんやデパートが大繁盛している時代を過ぎて

着物が売れなくなり仕事がどんどん薄くなって来る時代を迎えて

そして、とうとうお世話になっていた呉服屋さんも数軒が閉店してしまいました。

(それは、外国による格安の仕立てやレンタルが増えた事などが理由のひとつと考えられます)

一度は針を持つのをやめようかと考えた時もありましたが・・・

地道に仕事している中で、仕事を紹介して頂いたり・・・

こまごました直し物を受けているうちに、小さな仕事でも出来上がったものを

喜んでくださる方がいる事にやりがいを感じ始めました。

今となっては、続けて来て良かった。と思っています。

これからも、人に喜ばれる仕事をしていつまでも初心を忘れずに

精進していきたいと思っています。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。