小枝の小技より転載 [こころ庵の思い出]

2010・2月吉日
(こみんかギャラリーこころ庵にて)お母さんの愛情展にて・・
和裁の実演をしました。

「実演と背守り」

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私が縫っているのはなんでしょうか?

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お若いお2人もがんばっています~

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今日は寒いから暖炉の前で・・・椅子に座って縫っています。くけ台活躍中です


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小さい産着を半日で縫い上げました・・・あれ?背中に何か付いている??

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そうです!これは
「背守り」なんです

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記・ささゆりさん

昔は「一つ身」の着物を着るような、
生まれたての赤ちゃんから3歳くらいまで・・・
病気で亡くなる子供が多かったそうです

「一つ身」の小さい着物は背縫いが無い(縫い目が無い)
縫い目が無い・・・・・→目が無い
という事で、縫い目の変わりに「背守り」を縫って
背中から忍び寄ってくる病魔や災いから
どうか、守ってください!という
風習だそうです。

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こちらは立派な一つ身の着物
左が女児、右が男児用
これらの背守りは、背中心に糸で目が何針か縫ってあり
糸の端が長く垂れ下がっています

魔物が背中から襲ってきた時に
子供をとられてしまわないように・・・・
つまり
魔物が糸を引っ張っても子供と着物は守られるように・・・・
糸だけがするり~と抜けてしまうように
糸に「玉」は作ってありません

この話を初めて聞いたときに
「なるほど・・・それは凄い仕組み」と
鳥肌が立つほどでした


和裁の修行で30年以上前に私が縫った
背守りがありました。
パラフィン紙にえんぴつで写し
布に止めてから
糸の目がまっすぐ交差しないように
二本の糸を揃えて縫っていきます。
これは中々難しいのですが・・・。

興味を持って集ってくれた方々と挑戦しましたよ。

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参加してくれた若いお二人の縫い守り・・トンボはひろさん・・・それぞれに名前もちゃんと付いています

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お母さんが人形の布団を縫ってくれたり。。


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寒い中おんぶして歩いてくれたんですよね・・・

今のお母さんはどうだろう?
スーパーで辺りかまわず小さな子供を怒鳴っているのを見たことがあります
友達とのおしゃべりに夢中で子供からは手も目も離れていたり
ニュースでは幼児虐待も頻繁に流れています

授かった命を大切に育てる
どうか無事に大きくなって欲しいと願いながら
背守りを縫っていた

昔の沢山のお母さん方に感謝しながら・・・・
これからお母さんになる若い人にもこんな気持ちを伝えて行く・・・
そんな役割を少しでもしていきたいと思う
このごろです。


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